工藤朱理「SESERA LULU」
https://gyazo.com/af22e3b8a4115cdc5ce98c3981784217
consept
三鷹駅から計画敷地に行くときに玉川上水沿いの道を通って行った。その道は木がイキイキと繁っていて、地面も土のままでとても心地よい散歩道だった。
途中に野鳥の森公園もあり、武蔵野市の自然の豊かさに触れることができた。この地域センターに向かってくる人にまたその川のせせらぎや、 木陰の気持ちよさを味わってほしいと思い、この「SESERA LULU」を考えた。
また、設計するに当たって「情報の流れ」、「人の流れ」、「川の流れ」の3つの流れを意識した。
diagram
①敷地を2m×2mのグリッドで区切り、そこに玉川上水と千川上水に見立てた道を自由に作る。
②少し道にはみ出るようにして建物の基本となる形をグリッドに沿ってランダムに置いていく。
③川の流れで角が削れていく石をイメージして四角形の角を取って繋げる。
④2階と3階は砂の堆積を意識して決めていく。
https://gyazo.com/e074caaabcc1041a59569af591c8248e
plan
https://gyazo.com/37be2843d1173fb6d3be74e85d164901
△1FL平面図
https://gyazo.com/78f12c60f8f73f43d2a052b4682772c7
△2FL平面図
https://gyazo.com/c3dd252b893b477f732061a7366b2f5c
△3FL平面図
情報の流れ
地域センターは災害が起きた際には避難場所になる。災害の多い日本では、災害発生時の避難場所の確保や正しい情報を集めることが重要になってくる。そこで、この地域センターに「コミュニティFM」を設置した。行政、警察、消防署や自治体などの多くの機関から伝えるべき情報を、コミュニティFMが伝えてくれる。その放送は家からでも、車でも、スマホでも聞くことができる。また、普段の生活では楽しい街の情報を伝える場にもなる。SNSが得意ではない高齢者に聞いてもらいたいと考えている。
人の流れ
この地域センターは予定があって訪れた人はもちろんだが、ふらっと立ち寄ってもらいたいと思い、外にベンチを多く設置したり、カフェのみの利用も可能にしている。また、カフェのテーブルを大きなテーブルにして囲うように座ることで地域の人の交流をしやすくしている。他にも子供が道路に飛び出すことを心配せずに遊ぶために児童室からすぐに屋上テラスに行ける。
自然の流れ
玉川上水をモチーフにしているため、水の効果的な利用を考えている。武蔵野市は地下水を利用しているため、まずは一次利用として冷房に、二次利用としてトイレの洗浄水などに使うことで水を大切に利用することができる。また、渡り廊下をつけることでその下の部分に風が流れて心地よい気分になれるだろう。その風で木々が揺れて、影の移ろいや自然の豊かさを感じれる。
https://gyazo.com/3378dd671c68386dce451900aa8065b9
講評:玉川上水や武蔵野台地など街のコンテキストの延長にコミュニティセンターを位置付けている点で、地域性や場所性を獲得しようとした点で素晴らしい提案です。流れというコンセプトから建物の角を削り、地域に開かれた優しい建築としてまとめられています。外構と外観として達成しているこの流れを施設内にも展開できたらさらに良くなったのではないかと思います。